境界線上のホライゾンI 上・下
境界線上のホライゾン原作1巻を読んだ。実のところアニメ第1期やっていた頃にノリで買ったものの、あまりの分厚さに1年近く放置されていたのだが、2013年も明けた頃から積み小説崩しの一環として読み始め、今しがた読み終わった。
成程。おれはこの作品に対して幸福な触れ方をした。アニメに対する補完として、この原作は完璧すぎる。小説を読んでる間じゅう、アニメのシーンが常に脳裏に浮かんでいた。正直ポロロッカだし、異論はあるだろうが、これがおれの正直な感想だ。
この作品の特徴をひとつ挙げるなら、やたらとキャラクターが多いことだと思う。主人公として葵・トーリが一応いるのだが、彼も常に出ずっ張りというわけではない。1巻に限るならむしろ本多正純の方が出番が多いと感じるくらいだ。敵味方合わせて多種多様なキャラクターたちの群像劇と捉えるべきだろう。
これが本作品の一見さんにとって、非常に敷居が高い。何せキャラクターを覚えた先から新しいキャラクターが出てくるのだから。さらに作品独特の世界観と専門用語が追い打つ。アニメだけを見て、重奏世界と極東の関係を理解できた人がいるのだろうか?
アニメは全話観て、ある程度キャラクターや作品の方向性は理解したものの、ディテールがあまり理解できなかったことが不満に感じていた。
しかし、アニメを観ていたときに感じていたそんな妙なフラストレーションが、原作を読むことで解消されていった。小説はアニメと違って自分のペースで時計を進めることができる。ちょっと「?」な設定や表現も自分の中で解釈されるまで待つ、ことができる。また、アニメを観ていたときに感じた「どうしてこのキャラクターはこう至ったのか?」に対して、細かなセリフや感情や説明が綴られていて合点がいった。
なるほど、原作はアニメの良い補完になっているのだと思った。それだけじゃない。
アニメを先に観ていたことに利点だってある。最大の利点は、バトルシーンを視覚的に感じられるということだと思う。たぶん文章だけだと、高嶺の花や宗茂・二代の高速戦闘が、「なんかすげぇけどよくわかんねぇ…」って気分になるんじゃなかろうか。そこは既に映像として完成されたものがあるので、それを念頭におくことで非常に理解が早くなる。
もちろんこれはカンニングでもあるのだけれど。小説は答え合わせじゃなくて自分で答えを作るのも楽しみなんだからね。
ラノベアニメは観るけど、ラノベはあまり読まない人間なので、大きなことは言えないのだが、上下あるとは言え原作1巻をそのまま1クールにするなんて相当な冒険をしたものだと。大胆なカットを駆使すれば2巻くらいは収めることはできたはずだというのに、贅沢にも1クールかけている。それでもカットされているくらいだけれど…。営業的にも1巻だけしか販促していないなんてことになる。
この作品は、コレで行くべきだ、と推した人がいたわけで、その人は英断だったなぁと。信者向け?いいや、むしろ新参をひっかけるための策略だね。おれみたいな新参もひっかかるときはひっかかるのよ、と。
さて、2巻に進むかなー。それとも1期アニメをもう1度見返してみようかな。
境界線上のホライゾン1〈上〉―GENESISシリーズ (電撃文庫)
- 作者: 川上稔,さとやす
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2008/09/10
- メディア: 文庫
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境界線上のホライゾン1〈下〉―GENESISシリーズ (電撃文庫)
- 作者: 川上稔,さとやす
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