実家に帰る

　この3日ほど実家に帰っていた。帰省というヤツ。

　俺の実家は山口県にある。東京からは新幹線で一本で行けるとは言え、それなりの距離。これまで大阪に住んでいたから「実家って近いなぁ」という感覚が抜けなかったんだが、流石に4時間半以上かかるとなると実家の遠さを感じた。ふるさとは遠きにありて思うもの、とは言うけれどね。

　まあ、実家に帰ったところで特に何をするわけでもない。親戚もそれほどいないし、友人もあまり郷里には残ってない。なにしろ田舎なのだ。ちょっと盛んな若者はみんな都会に出て行ってしまう。そしてお盆に帰ってくる酔狂はそれほどいない。

　実家に帰ってやったことと言えば、うちの駄犬と戯れたり、マンガを読んだことぐらいだ。実家にはなぜかマンガが多い。美味しんぼやデスノート全巻が読める家はどのくらいあるのだろう？それにBE-LOVEのコミックスもちょくちょくあるから、範囲広いなぁと思う。

　山口は歴史は長いが、歴史ぐらいしか誇るところがない。著名な観光地は県内にいくつかあるが、県中央部の山口市周辺にはこれといったものがない。瑠璃光寺五重塔やサビエル教会ぐらいか。
　あと、山口の名産は「ふぐ」とよその人は言うが、県民的には「夏みかんかなぁ…？」。？が付くのはあまり実感が無いからだ。それでもふぐに比べればまだ身近なのが夏みかんなのだ。そしてういろうも有名。名古屋よりうまいというのが山口県民の話。信用しない方がいいかもしれない。
　地酒は近年人気の出てる分野で、岩国の方で作ってる「獺祭」とかが今すごく人気のあるみたい。全国区人気なのでわりとどこでも手に入ったりするんだけれど、地元だと他よりは容易に手に入る気がする。安くはないけどね。

　ローカルはいい。でもしばらくは都会でいい。やっぱり田舎は何か、時間の流れが遅い。俺は早く歩きすぎてる。けど、この早さが今の俺にはちょうどいいらしい。もう少し歳を取ったら、瀬戸内海あたりの街に永住したい。海鮮のうまい場所にね。