第6話「現世の夢」

これまで5話かけて「ため」てきたのを一気に解放しやがった回。先週の「伏線」からすると読める展開だけど、かなりくるなぁ。

このアニメのバランス感覚は結構凄いんじゃないかな。
今回みたいな「キャラクター在庫整理」のような虐殺ショーがある場合、叙情的な演出を入れる作品が多いと思うんだけどさ。確かに「死」を無機質に淡々と描くよりはいいんだけど、あんまりやりすぎてしまって、ギャグになっちゃう作品もある。

このアニメでは、ムタとか船長の死に際では派手でフィクション的な立ち回りをさせる一方で、ハンスをあっさり殺したりする。チコが「友達」だったアンジーの手を掴もうとする劇的なカットの後に、アンジーがリアルに列車の屋根を転がって死んでいくようなアニメーションを入れる。
美しさと汚さの同居というか？シビアなところではものすごくシビアに、そうでないところはそれなりに、という演出方針な気がするんだ。見てて気持ちいい。
おかげで次回からの新展開のための「在庫整理」・「区切り」じゃなくて、チコという人間を描くエピソードの一つとして見ることが出来たように思う。

それにしても、地味だけど本当に丁寧なアニメだな。だけど1エピソード1話でやってるわりにはスローテンポに感じるんだよな。これが地味さ、盛り上がらなさに拍車をかけてる感じ。結構質は高いと思うんだけど…。
予約したろうか。