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棺担ぎのクロ。〜懐中旅話〜 3巻

棺担ぎのクロ、3巻購入。前の巻が出て何年経ったか調べたら4年半だという。長かった。けれど、その甲斐はあった。 

 

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クロの魅力てなんだろう。まず絵柄。美麗なカラーページはGAでもあるけれど、色の教科書的な絵が多いGAに比べると、本作はファンタジー世界観にいる人物を描いてる絵があるのが魅力。

特徴的な真っ黒いコマ枠も魅力かな。クロは基本的にすべてのコマの外が真っ黒にぬられてる。かつてはきららを横から見ただけで連載しているか休載しているかがわかったくらいの黒さ。どうして黒いかっていうと、ちょっと暗めのファンタジーモノ、だからなのかな。4コマは学園ものが多いからこういうのが新鮮。雰囲気はかつてのギャグ王でやってた夜麻みゆきの「幻想大陸」に近い感じかなぁ。あれも初期は4コマだった。

そしてなによりお話。結構ライフハックというか教訓めいたネタも多いんだけれど、それほど説教っぽいことはない、と思う。だいたい世の中綺麗事ばかりじゃなくて、ドロドロしたものも多分に含まれていて、それを理解したうえでも綺麗でありたいという感じかなー、とおれは思ってる。

そんなクロちゃんの生き方みたいなのはわりと好き。4コマだからそれほど深刻じゃなくてサラっとしてるのもいいね。

 

本巻では何かを代価に願いを叶える樹の話が好きかな。この話にはたぶん初めて?クロの迷いが提示される。何かを犠牲にすることで自分は救われるかもしれない、ってアイディア。ずっとそんなことを考えながら旅をしてきたんだなぁと。達観して飄々したようなキャラクターだけど、おそらくいつも葛藤して迷ってばかりなんだろうな。こうなぜ旅をしているのか、彼女はどんな人物なのか、が次第に明かされていくところも本作の魅力なのかも。

 

 

 

調べると2008年から休載していたよう。まんがタイムきららの看板といえば「クロ」で、表紙の登場回数もすごく多かったっけな。きゆづきさとこ描きおろしの美麗な絵が表紙を飾っただけで、ぐっときららが映えて見えたもんだ。基本単行本派のおれが何度きららを買ったことか。

…でも休載があって、そのあと、けいおん!が無ければきららも危なかったんじゃなかろうか、とか今なら思ったりもする。けいおんと言えば、2009年のアニメ化以降にきららに手を出した人は、来号から連載再開する棺担ぎのクロにどんな感想を抱くんだろうか。かつての人気漫画にどう思うのだろうか。真っ黒なコマ枠好きになってくれるいいな。