ツインテールの吸血鬼はお好きですか

Do you like a twintail vampire ?

涼宮ハルヒの消失

 最近やたらとアニメ映画を見に行く機会が増えている気がする。けれど、封切り前からどうしても見たかったとかそういうわけじゃないんだ。
 ブログで感想を見たり、ニュースになってるのを見たり聞いたりした上で、ある日突然、泡が浮かび上がって来るみたいに「観に行くか」という気になるんだ。

 涼宮ハルヒの消失も20日ほど前に公開されていたのを知ってはいたものの、あまり積極的に観ようとは思わなかった。けれど、昨日突然観に行くことを思い立ち、今日電車で1時間ほど揺られて、隣の、隣の市まで観に行ってきた。


 涼宮ハルヒの消失か…。2006年、涼宮ハルヒの憂鬱が放送されたときにミーハー精神を発揮し原作本を買い集めたことがあった。そのときもちろん「消失」も読んだから、本作のストーリーの筋は知っている…つもりだった。
 …が、もう4年も前のこと、細かい部分をかなり忘れていた。だから、まるで初めて観るみたいに、新鮮な気分で観ることが出来た。


 消失の最大の見所と言ったら、あれだろう。消失長門だ。はてなキーワードに登録されているみたいだから共通の用語として成り立ってるだろうか。

 長門ってのは、基本的に無口・無機質・無感情なキャラクターなのだが、消失長門は無口をベースに照れ屋、恥ずかしがり屋属性を付け加えた文学系少女だ。これが非常にかわいい。
 ギャルゲー風に言えば「次第に心を開いてくる後輩」とでも言うべきか、ともかく多くの人がそうであるように、当時「消失」を読んだときにかなりぐっときたのを覚えている。


 劇場版はこの点、流石だった。消失長門マジかわいい。赤面してるところとか、泣きそうなところとか。あざといぐらい。
 本当、絵はあざといよ。「これで萌えろ、萌えなきゃ人間じゃねぇ」、とでも言われてるみたいに。
 けど、ギリギリのバランスであざとさ一歩手前のかわいさが出ていたと思う。このバランス感覚が映画全体に貫かれていたんじゃないかなー。


 ハルヒもかわいかったなー。あまり出番はなかったのだけれど、彼女らしいテンションの高さところころ変わる表情が良かった。テレビシリーズやっていた頃は「ちょっとなー」と思ってたけれど、この躁っぷりもいつの間にか嫌いじゃなくなっていたらしい。
 あまりにも「躁」なので、林先生に診せた方が良いのでは…と心配になるぐらいには、俺もハルヒに入れ込んでいるようだ。


 映画自体はちょっと長く感じたな。2時間40分。「劇なの」が130分でもかなり長いと思ったのに、それを超える長尺。
 その一因は長くなったキョン@杉田智和の語りだろうな。原作をとにかく再現したかったスタッフ側の想いはわかるし、キョンの語りが「ハルヒ」の味なのはわかるけれど、ちょっと胃もたれしたな。
 終盤の葛藤シーンは必要だったのかな?いつかの未来での実況板で「僕はここにいていいんだ!」「おめでとう」とか書きまくられる光景を幻視したなぁ。


 でも、観に行ってよかった。第二期シリーズは、正直あまり真剣に見ていなかったのだけれど、それでも楽しかった。2006年当時のネットでの狂乱っぷりを思い出したよ。
 かつて、「ハルヒ」を好きで、いつの間にか離れてしまっていた人でも、観たらいいんじゃないかな。4年も経てば「冷めちゃった」人がいるかもしれないけれど、それだけ成長してるわけだし、当時の「熱さ」を思い出すだけでも、むずがゆいような、そんな想いを抱けるんじゃないかな。


 元々大阪に住んでいた人間としては、見慣れた阪急が何度も登場していたのも気に入った。あの"阪急色"の列車が走ってる光景だからこそ、なんだかリアルの延長線上に感じられるんだ…。変な話だけどね。