なぜなのはオタは一騎当千なのか?
今回のなのは一番くじ、コミケのときの完売。なのはオタは常に伝説を残し続けてきた。
彼らは他のアニメのオタと何が違うのか?何が彼らをなのはに惹きつけるのか?
…端的に言って、彼らは不遇の時代を体験しているからだと、俺は思う。
もちろん、これは門外漢の俺の、単なる妄想にすぎない話だ。
「魔法少女リリカルなのは」は2004年秋アニメとして始まった。今の盛り上がりを考えるといたって静かな始まりだった。
同時期のアニメとしては「月詠」「ローゼンメイデン」「舞−HiME」などがあったが、その中でも話題性という意味では一番小さな存在感のアニメだったと記憶している。
ローゼンメイデンに舞-HiME、このふたつは関東では放送時間すら被って激しく火花を散らしていた二大作品だったという。その時間に被っていた裏裏番組がなのはだったそうだ。
なのは1期の序盤は本当に話題になるような要素がなかった。「CCさくらのパロディ?」という感想がそこかしこに見られた。よくある魔法少女ものの亜流と見なされていた感がある。
中盤以降、現在につながるバトル要素もみられるのだが、そこまで視聴を続けた視聴者はどれだけいるのだろうか。
二大作品の間に挟まれ、ネコミミモード以下の話題性でひっそりとしていたように思う。
なのは一作目は「知る人ぞ知る良作」的な位置にとどまっていたように思う。メガミマガジンでコミック版が連載されはしたが、それが2期につながるとは誰も想像だにしていなかったと思う。
あの機を見るに敏な角川ですら手をつけていなかった作品なのだから。*1
その後A's、StSとバトル要素、ミリタリ要素を増強し、ファンを増やしていくのは周知の事実。今の勢いにつながるわけだが。
どうしてなのはファンが強いのかといえば、そんなマイナーな時代を経験しているからじゃなかろうか。当時から知るようなファンにとっちゃ「俺が育てた」的な思いも強いんじゃなかろうか。
例えば、今は「けいおん!」が人気なわけだが。
あれは「AIR」で存在感を示し、「ハルヒ」でムーブを作り、「らき☆すた」で話題をさらったあの京都アニメーションが作ったサラブレッドなわけだ。
ヒットする事を確約されて生まれてきた存在だ。そこにつくファンもまた勝ち組であることを確約されている。安心して応援できるし、安心してブームに乗れるわけだ。*2
けいおん!ファンも強い。強いんだが、なのはファンが度々キチガイじみた底力を見せるのは、そんな不遇の時代を経験したという想いが根底にあるんじゃなかろうか。
だからこそ、今回みたいな一騎当千っぷりを見せるのでないかと。
…なのはファンと同系統のファンとして、アイドルマスターファンがあるだろうか。今でこそ蝶よ花よと一線級の作品だが、アーケード時代は決して恵まれたものでなかった。
そういう時代を支え続けてきたファンがいるからこそ、今があるのでないかと、思う。