ツインテールの吸血鬼はお好きですか

Do you like a twintail vampire ?

今期のアニメとか

今期というにはもう終盤なんだけれど、一応雑感でもつらつら適当に。そういえば全く書いてなかったから。

探偵オペラ ミルキィホームズ

アニメーションで追い詰めます!追い詰められてたのは俺の方でしたー!?的な作品。始まる前からウニメ的な意味で楽しみだったのだが、予想をいい方に裏切ったカオスアニメになってしまった。

おれがアニメを評価するひとつの軸に「キャラクターがうざくない程度にかわいい」というのがある。生き生きしてると言い換えてもいい。このアニメはキャラクターがカオスで外道でひどい連中ばかりだが、うざくはない。これは重要。
例えばこころちゃんはクズで外道で天罰だが別にうざくはない。酷い仕打ちをしているようでされてる相手が天然なため、そのハイテンションさが空回りしていてギャグになってる。

このへんのスパイスの効かせ方は往年のギャラクシーエンジェルデ・ジ・キャラットを彷彿させる。…って、最新の8話は本当に桜井弘明コンテだったりするので、当然の出来か。

こんなカオスで「ゲームの販促がこれで大丈夫か?」と思いたくもなるけど、スタッフを見ればこれが確信犯的に集められたことは嫌でもわかる。このデキを狙ってたんだ。偶然の産物じゃない。その作為さに引くか、シャッポを脱ぐか、それはおれ次第だ。

屍鬼

古典的なホラー&吸血鬼モノなのだけれど、淡々とエピソードを積み重ねてここ数話の爆発っぷりは本当に面白い。溜めて溜めて、そして一気に破裂する。おれのtwitterアイコンを長年付き添ったさっちんから清水に変えただけのことはあるぜ。

昨今巷には吸血鬼ものは溢れてるが、「汚れちまった悲しみに」を描いた吸血鬼ものは本当少ない。「超つえー人」くらいにしか描かれてないのが多い。FAみたいにな!
この作品は最近じゃ珍しい(原作がかなり昔だからってのもあるのだが)、人間から化物になってしまって、化物の心と人間性に挟まれて苦しんでる連中が多い。

キャラクターの中ではまさおは起き上がっても生前のままヘタレで人を殺すことが出来ない。徹ちゃんは内なる衝動に耐え切れず人を殺してしまうが、その後なんてひどい事をしたんだと泣き出してしまう。この人間性ってのが曲者で、人を殺したくないという気持ち以外に、おれは死にたくないってのが一緒にあるんだよな。
殺したくないけど死にたくもない、だから殺す。人間性と化物が共存してるから起きる悲劇だよ。


反面、化物に染まっちまう連中もいて。奈緒さんや清水が相当するか。愛する家族も一緒に起き上がらせて仲良く暮らしたいがために家族全員を殺してしまうという悲劇がありながらも激昂もせずあくまで静かで、平穏に暮らす連中への恨みのみを抱く奈緒さんは壊れてる。殺したくないとか死にたくないとかを超越したところに行動の原点を持ってるのは化物の思考と言っていい。

清水もそうだな。基本的に夏野が大好きで夏野のと仲の良いかおりを疎ましく思い、結局その家族を殺したりするのだがそれでいて全く良心の呵責を感じてないところがすごい。それに夏野がすべてっぽく見えるくせに夏野が死んだ後も、彼の後を追うでもなく普通に人を殺して屍鬼ライフを鼻歌まじりに満喫してるところがすごい。まさおじゃないが「女ってこえー」なのだ。


こういう化物を描いた作品って好きだ。壊れるってのは別に発狂するとか奇声をあげるとか、そんなんじゃないんだ。論理が狂ってるというか、どこかぶっ飛んでるってのを言うんだ。

奇しくも清水はツインテールなので、彼女もまたツインテールの吸血鬼(屍鬼)として、うちが愛する対象だな。壊れ方がさっちんっぽくて実に好みだ。(原作の原作の時期を考えたらむしろこっちが原型なのかもな)