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宇宙ショーへようこそ

土曜日に観てきた。決して悪い出来じゃあないと思うが、素人目に見ても致命的な欠点がいくつかあった。完成度なら前日にやっていた「耳をすませば」、先週やっていた「紅の豚」に遠く及ばないし、子供たちの冒険ものならドラえもんの大長編の方が遥かに上質だと思った。

ストーリー

まず非常に長い映画だなと感じた。本作の上映時間は136分。魔法少女リリカルなのはTHE MOVIE1stが130分、涼宮ハルヒの消失が160分らしいので、最近のアニメ映画として特に長いわけでない。ちなみに耳をすませばは上映時間111分。紅の豚は93分だとか。

長く感じさせてる理由は、たぶん「何がしたいのかがよくわからない」からだと思う。話が動くまで1時間以上かかるし、動いてからぐだぐだしている。正直終盤までストーリーがよくわからなった。

この映画のやりたいことを一言で表したら何なんだろう。「宇宙ショーへ行くのか?」「地球に帰るのか?」「伝説の星を見つけるのか?」「助けに行くのか?」
話の着地点が全く読めないせいで長く感じるのだろう。

主人公の不在

よくわからないストーリーにつながるのだが、最後まで観ても誰が主人公なのかわからなかった。「なつき」なのか「ポチ」なのか。
思うに「なつき」と「ポチ」、それぞれに独立したストーリーラインがあるんじゃなかろうか。それが適当なタイミングで適当に混ぜられるから、とっちらかっていて散漫になっている。なつき視点で話が進むかと思えば、ポチの過去が唐突に語られるし。従妹との確執と親友との確執を対比して描いてるわけでもない。終盤なんてポチとネッポだけでいいんじゃないかな、みたいな雰囲気があったし。

タイトル

だいたい「宇宙ショーへようこそ」というタイトルが間違っている。俺はてっきり「宇宙ショーで楽しい体験をする」話だと思っていたのだが、実際は「伝説の星ペットスター」とでも題するべき話だった。しかもそれがわかるのが終盤だから始末が悪い。これまで全く出てこなかったのに唐突に「生命の尊厳」を語られても困る。

良かったところ

ロリを描く情熱を非常に感じた。だいたい中の人も現役の小学生という徹底ぶりだ。
しかもバリエーション豊富で、幼児、ボーイッシュ、お嬢様、宇宙ロリ。
物語の中盤に出てくる衣装が、肩を半分露出させるというもので、いろいろとギリギリだった。幼女にさせる格好じゃねえ。

ケモい人が出てくるのもその筋の人にはいいんじゃなかろうか。

あとジブリ映画からの着想があちこちに観られたような気がしたような。機械類の生物的なデザインも良かった。