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獣の奏者 闘蛇編

 最終回も迎え、総集編が始まった今、獣の奏者エリンの原作を読み始めた。

 この小説、ファンタジーらしくわりと独特の用語や世界観や表現がふんだんに盛り込まれているのだが、アニメで一度予習をしているため非常に読みやすい。文字だけの小説に比べ、アニメのビジュアル表現ってのは強いんだなと改めて思わされる。

 原作は結構シンプルな話だ。ソヨンが処刑されるまでがプロローグと言った感じで、足りすぎず足りなさすぎずとバランスがいい。俺はアニメに先に触れているからか、原作なのにいくつかのエピソードを削除した後のように感じられて、逆にこれはアニメ「獣の奏者エリン」をノベライズしたものなのでは、と思ってしまった。変な話だけれど。
 なるほど、アニメは少々冗長すぎる、という意見を原作既読者から聞いたこと有るが、うなずける話だ。


 俺はあの50話は必要な長さだったと思う。ストーリーを伝えるだけじゃなくて、世界観まで伝えるにはあの長さは必要だった、と。別に一から十までメインストーリーに直結した話をやる必要はないと思うんよ。たまにはちょっと外れた話も必要で、それが作品世界の広さを感じさせるものだから。アニメのエリンにはそれがあったと思うよ。


 原作に触れると、アニメがいかに原作を膨らませていたかがよくわかった。単なる映像化というより翻案と言ってもいいかもしれない。アニメが原作を損ねて無くて、原作をより良いものに高めている感じがする。これは原作とアニメの関係としては理想的なものじゃないかな。公式の作者ブログからも「楽しそう」って感じが伝わってきたもの。