1/17と言えば

十年一昔と言うぐらいだ、14年前なんてもうすっかり忘れ去られた忘却の彼方だ。

1月17日といえば、関西地域が未曾有の大震災に見舞われたまさにその日であり、今現在俺が住んでいるところもまた震災の影響を受けた地域なのだ。だというのに俺はついさっきまで思い出せなかった。喉元過ぎれば熱さを忘れると言うが、俺は熱さすら体験していなかったんだ、忘れるわけだ。

当時俺は岡山県に住んでいる一人の子供で、14年前の今日、これまで経験したことも無かった振動で目を覚ましたのを思い出す。当時の居住地付近での震度4だったらしいが、それでも俺にとっちゃビビったもんだ。直接の被害は無かったが、学校に神戸から疎開してきた転校生がやってきたりしたのを覚えている。

だけど、すぐ隣の県の話とはいえ、俺はそんな地震の日でも朝食を食べたし、学校にも出かけた。テレビが騒がしい以外は世の中割と平穏で、大災害が起こったのは嘘みたいだなぁと感じていた。せいぜい百数十キロほどの距離の差だってのに、なんて違いなんだろう。
リアリティの欠如とか言うのかもしれないが、当時の俺は岡山より東に行ったことが無く、震災をどこか外国の戦争と同レベルで捉えていたのかもしれない。
同じ95年…だったっけ？瀬戸内地方の各地で水不足で取水制限が行われたときには大変だと思ったもんだが、あれは当事者だったからか。

今俺は関西に住んでいる。当時は聞いただけの地名の場所に実際に行ったり、阪急やJRや山陽新幹線に乗ったりする機会が経験が増えていくと、震災がいかに恐ろしいモノだったかを今更のように感じる。欠如していたリアリティの復刻とでも言うか。
あれが動かない…あの街角が壊滅している…それは想像も出来ない恐ろしい事態だったんだ。