ツインテールの吸血鬼はお好きですか

Do you like a twintail vampire ?

ガールズ&パンツァー 12話の舞台探訪とか適当な感想とか

ガールズ&パンツァーがBS11でも最終回を迎えた。2012年度のアニメとして稀有な盛り上がりを得たこの作品について、適当に語ってみようと思う。

 

まず、最終話12話の舞台について。決勝戦は富士の演習所で行われているという設定だが、実際の資料としての舞台は東京都は杉並区の町並みをモデルにしている。

f:id:ming_mina:20130331230712j:plain

f:id:ming_mina:20130331230116j:plain

f:id:ming_mina:20130331230114j:plain

大通り沿いの風景はわかりやすいから、このあたりをよく通ってる人は気付いたかも。…おれもそういう人の発見を元に訪れたわけだが…しかしまぁ、よく特定するものだ。

このように杉並区が最終回の舞台として使われているのは、アクタスの本社がこの辺りにあるということと無関係ではないだろう。というか最終回の資料集めを手近で済ませたのだろう。それだけ切実に納期に追われていたのだろう。

 

それにしても最終回は確かにすごかった。人によって色々と好きだといえるポイントはあるだろうが、おれは戦車同士の一騎打ちシーンが一番好きだ。本来あり得ないはずの戦車同士の閉所での一騎打ちが本作品の戦車バカさを象徴していたと思うんだ。FPS視点を巧みに活かして、ティーガーとIV号がスピード感のある戦闘を繰り広げる…まるでロボットアニメみたいじゃないか、と思わず独り言ちてしまったもんだ。

それにお互いの戦車のセレクトがいいよね。ドイツ軍戦車の花形であるティーガーと事実上の主力であったIV号が、西住流の看板であるまほと、影にいるみほを象徴しているようで、他のどの戦車同士でも成り立たなかったと思う。

 

 

 

さて、ガールズ&パンツァーは近頃のアニメのトレンドとでも言うべきいくつかのアピールポイントを持っている。

ひとつ、部活ものであるということ(正確には授業だけど)。ふたつ、とにかくキャラクターをいっぱい出しているということ。みっつ、"聖地巡礼"を意識して実在する土地(茨城県大洗町)を舞台としていること

 

特にみっつめの聖地巡礼的盛り上がりは、2012年度では最も盛り上がったと言える。…でも考えてもみろ。この作品の舞台はほとんど学園艦だ。実際に大洗町が舞台になったことなんて、実質4話しかない。ほとんどの試合もすべて別の土地だ。

それでも、その4話がすごかった。実在の土地をモデルにして戦車戦を行うだけでも相当のインパクトなのに、戦車が旅館に突っ込むけど補助金が出て新築できるというカオスな世界観の提示も行われていて忘れられない回となった。

 

f:id:ming_mina:20130331190129j:plain

 

ふたつめ、キャラクターがいっぱいいるという点、これも特筆に値するんじゃないかな。

あんこうチーム5人、カメさんチーム3人、ウサギさんチーム6人、カバさんチーム4人、アヒルさんチーム4人、カモさんチーム3人、アリクイチーム3人、レオポンチーム4人。これだけで32人。さらに対戦高校のキャラクターもいるのだから。考えて見れば1クールにしてこの数は到底捌ききれないとしか言いようがない。

でも実際のところ、視聴者としてもきちんと把握できていて、キャラクターにもうまく個性付けられていると感じられるのは何故なんだろう。それはチーム単位で性格がついているからに他ならない。ウサギさんチームはおたおたした一年生、バレー部は根性…といったように、個々のキャラクターは印象薄くても、チーム単位に個性がひもづけられている。さらに対戦高校は国に対するイメージ…イギリスやロシアやアメリカといったテンプレートなお国イメージをうまくキャラクターに落とし込んでいる。

だから実際のキャラクター数と比べて視聴者が認識すればいい"キャラクター"は少なくて、それがわかりやすさにつながっているのだと思う。

ガルパンは群像劇じゃないから成せる技だろうか。

 

 

最後にひとつめ、ガルパンは戦車と少女というマニアックな組み合わせをしているけれど、決して突飛なことでなく、あくまで学校の部活(授業)の範囲であるという点が良かった。たまたま戦車道というスポーツが存在する世界だっただけで、それがミニ四駆だったり麻雀だったりスクールアイドルだったりするのと本質的には変わらない。ただ打ち込む対象が違うだけ。だからミリタリー知識がなくても楽しめる。咲は麻雀知識無くても面白いでしょ?けいおん!は楽器の知識必要だった?必要ない。要はどれも女子高生が部活するだけの話だから。

だから、自然と受け入れられた。これが「どこかの世界の戦線で少女兵の戦車部隊が〜」みたいな話だったらたぶん受けなかったんじゃないかなぁと思う。もちろんおれはソ・ラ・ノ・ヲ・トは好きだけど。

 

 

最後に、一聖地巡礼erとしての意見だけど、これからも大洗がずっと盛り上がり続けるかと言えば、微妙であると言わざるをえない。人の心は移り気だからね。いつか忘れていってしまう。…けれど、「大洗」の名を知ったってことは重要だと思う。実際のところ、おれはガルパン観るまで大洗なんて知らなかったんだから。

10年経っても、「いつか木崎湖に行きたい」と思うように、「いつか大洗に行きたいなぁ」と10年後でも思えるのなら、思えさせてくれるのならば、ガルパンは成功した、と言えるんじゃないかな…