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GLaDOSは萌えAIの頂点だとわりとマジで思う

Portal2のキャンペーンをクリアした。面白かった。
前作をプレイしている人間に取っては、新しいギミックを搭載したPortalのアッパーバージョンとして楽しめると思う。


パズルは適切な難易度で、前作より簡単に感じる部分も多い。ギミックやPortal用の床や壁がわかりやすく配置されているため、初心者でも安心かな。パズルを解くのにアクションが必要な部分(=ジャンプやタイムリミット付きボタン)もだいぶ減ってる。ただ上級チャンバーみたいな仕掛けがないので物足りない部分もある。COOPで補えってことだろうか。


グラフィックはモデリングやテクスチャーは結構荒いんだけれど、流行の破壊表現をふんだんに使っていたり、ジェルの液状感が出てたりと、視覚的にはリッチな印象。前作と同じくマップの雰囲気作りが上手いので、トータルで観たらとても良い感じだ。



でも一番衝撃を受けたのは、アメリカ人がガチで「萌え」を理解してきたってことだ。その証拠として本作のヒロインたる「GLaDOS」は、理想的なツンデレキャラクターだ(若干ヤン成分もある)。しかもツンとデレの比率が理想(ツンツンツンツンデレツンツン)に近いのだから恐れ入る。

そもそも彼女はAperture Scienceの制御AIであり、前作Portalでは主人公の前に立ちふさがる最恐の存在だった。前作で主人公は彼女を「殺し」、Aperture Scienceを脱出したわけだが、本作では色々あって彼女が復活してしまったのだ。



彼女は主人公が自身を殺したことを覚えていて、ゲーム中にあれこれ恨み言を言ってくるわけだが、ストリー展開によって、しだいに複数の感情を表すようになる。この過程がすごい。自身を殺した恨みからブチ殺したいという衝動。テストを遂行させたいという科学の追求への欲求。困難に立ち向かう協力者としての友情。結局自身と相容れない存在としての拒絶。



彼女が抱く主人公への感情の変化がストーリーの展開と共に描かれていて、プレイヤーのGLaDOSに対する感情も揺さぶっていく。恐怖の存在であり、救済者であり、頼りになる相棒であり、やはり信用できない所詮AIであり…それでいて人間らしい可愛いところを時々見せてくれたりもする。鳥とのシーンは本作最高の萌えシーンだろう。
Portal2はGLaDOSの感情の変遷を考えながらプレイするのをオススメする。


こんな複雑なバックグラウンドを持つGLaDOSは、そんじょそこらの「ツンデレ」とされている有象無象を蹴散らす逸材だ。いつからツンデレは「属性」になったのか、ツンデレは「属性」でなく「過程」なのだ。初対面の相手に対し居丈高に振舞ったりするのは、ただの変な子じゃないか。どうして彼女がツンなのか、どうやってデレるのか、そこをきっちり描いた作品がどれだけあるというのか。




永く、日本は萌えキャラを創りだすことに秀でていると思っていたが、テンプレートに頼りすぎていたのかもしれない。別にGLaDOSが特殊なキャラクターってわけでもない…萌えAIなんてたくさんいるしな
…むしろスタンダードな手法を使って攻めてきてるのが悔しい。このアメリカからの殴りこみが、日本の萌え業界にいい影響を与えてくれることを期待したい。



ちょっと病んでるキャラソンもあるよ!