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電脳戦機バーチャロンフォース

 バーチャロンフォースが稼働した当時、俺は山口市に通学する一学生だった。当時市内で唯一フォースが入荷したのが湯田温泉駅にほど近いプルインというゲーセンだった。表の看板に書いてあった名称は違った名前な気がしたが、みんなプルインと呼んでいたからプルインと呼ぶことにする。
 プルインはスペースの半分を音ゲーに、半分をアケゲーに、その間のわずかな空間にプライズのある、どっちかと言えばコア寄りのゲーセンだった。近くに市内の高校と山口大学があり、そこらの暇人が常時たむろしている薄暗い空間だった。
 
 そんな片田舎のゲーセンに、あの馬鹿デカい筐体が入ったことはなかなか歴史的な出来事だろう。流石に財力の関係か、スペースの関係か、ハーフセットしか入らなかったのだが。それでも当時はなかなか感動して、稼働初日から拝みにいったものだ。


 結局、俺はあまりフォースをやらなかった。理由は簡単で、とても高かったからだ。

 1Play200円。貧乏な学生にはとてもつらい額だった。200円払えばオラタンが2回出来たし、2on2の連ジも出来た。受験期と重なったこともあって、あまり熱心にプレイせずに時が経ち、俺は山口を離れた。


 都会に出てもフォースが置いてあるゲーセンはそれこそセガにでも行かなきゃなかった。オラタンですら置いてなかったのだから。…そんなわけで未だにフォースとは疎遠なままだ。

 だから、この度の移植は素直に楽しみだ。当時あまりできなかった分、一体どんなゲームなのか、どんなゲーム性なのか、今度こそ知ってみたい。オラタンとはまた違った味わいがあるというのだから。そう、俺はツインスティックも買っていたのだ。まさに来いってところだろう。
 
 今冬…さて、その頃はいったいどうなってるんだろう。9年という年月に比べれば圧倒的に短いわけだが。



 郷里に戻る度にプルインには寄っていた。かつての仲間は四散していなくなっていたが、それでも100円くらいは入れていた。
 数年前に寄ったときはなんとフォースが4台体制になっていて実に驚いたものだ。どこから買い叩いてきたのだろうか、それとも無茶したのだろうか。山大生が嬉々として輪を作っていて、地元を捨てた人間にはとても入りづらい雰囲気だった。

 去年、寄ったら店が無くなっていた。無茶しすぎたのだろうか。それとも、これも時代なのだろうか。