山崎蒸留所にてウィスキーを飲む
大阪着の翌日、大山崎に行った。大山崎町の歴史資料館での展覧会に行きたいという友人に付いていったのだが、その途中、阪急水無瀬駅を過ぎたあたり、車窓から山の方を見ていれば、「山崎」とでっかく書かれた看板があるのをを見た。「あれは何か」と尋ねたところ、「サントリーの山崎蒸留所だ」と。
ということで、サントリー山崎蒸留所の見学に飛び込んだ。
俺はあまりウィスキーを飲まない人間だ。度数が高い酒…というか蒸留酒が苦手だからだ。とはいえ、いつか極めてみたいとも思っていたのでいい機会だった。
三連休ではあったが、雨が降っていることもあってか、飛び入りの予約無しでも見学に参加することができた。この見学、なんと無料である。ウィスキーの試飲まで付いてくるというのに。
着いたのが14時過ぎで、次の見学会まで1時間弱時間があった。待合室前にはサントリーウィスキーの歴史やウィスキーのサンプルが展示されていて実に興味深かった。
断じて舶来を要せず
サントリーの歴史は日本のウィスキーの歴史でもあるらしい。サントリーの創業者、鳥井信治郎がこの山崎の地でウィスキー作りを始めたんだとか。輸入品だけじゃなく国産で作りたいとかなんとか。
当時売れ筋だった赤玉ポートワインとやらで得た収益を元手に研究・開発したそうな。マニア向け舶来の洋酒がどれだけ売れるのかよくわからんと言うのにな。発売以来つい昨年まで赤字続きだったビール事業と被るところがある気がする。サントリーのDNAというヤツなのだろうか。
そして、完成したウィスキーに付いたキャッチコピーが「断じて舶来を要せず」。時代背景もあって少々国粋的な響きはあるが、これまで外国でしか作れなかったものを作ってやった!という感が伝わってくるコピーだ。
とは言え、その品質が世界に認められるまでにはずいぶん長い時間がかかったようで、2003年にISCなる海外のコンペで金賞をとるまでいろいろ苦労していたようだ。
その金賞を取ったのが「山崎12年」。山崎蒸留所で作られたウィスキーなんだそうな。
ウィスキー醸造の見学
ウィスキーはだいたい次のような過程を経て、醸造される。
まずは原料の二条大麦を細かく砕いて水にさらす。そうして出来たウィスキーに酵母を加え、発酵させる。
その発酵して出来た汁を熱して蒸留する。こうして純度を上げていく。
蒸留して出来たものを樽に詰めて、長い時間寝かす。樽はオーク材で出来ていて、中に入ったウィスキーの元となる液体は、木材の成分や外気に触れ、次第に熟成を深めていく。
そうして熟成したものを出荷…と行きたいところだが、樽はそれぞれ微妙に材質が違うので、味も少しずつ変わってくる。しかし、それではひとつのブランドとして個性が出せないので、ブレンディングによって味を統一する。
かくして、山崎のウィスキーは作られるらしい。
試飲
見学の最後にはウィスキーの試飲ができる。今回は山崎12年と、山梨県白州蒸留所による白州12年という酒を試飲することが出来た。俺はウィスキーがあまり好きでは無かったのだが、山崎12年はとても飲みやすい酒だと感じた。ガイドのお姉さんは山崎を「甘い酒」と言っていたが、確かに甘い香りがする。癖も無くて、ぐいぐい行けそうな感じだった。
逆に白州は癖が強く(スモークっぽいというやつなのか?)、いかにもウィスキーという感じだった。
まぁこのへんは好みだろうが、俺は山崎12年の方がうまいと思った。
お土産
お土産として「樽出原酒12年」と「山崎蒸留所シングルモルト」を購入。前者は山崎12年の元となる原酒で、シェリー樽のものなんだとか。後者はオリジナルのブレンドで10年ぐらいの若いウィスキーらしい。
まだ開封してないが、少しずつ試してみようと思う。
酒造りってのは面白いな。あくなき試行錯誤だ。探求だ。
こうして背景を知ると、普段飲んでる酒もぐっとおいしくなるような、そんな感じがする。