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三菱重工 長崎造船所史料館

長崎にある三菱重工長崎造船所史料館に行ってきた。

長崎駅からバスにのること10分程度。このあたりは三菱重工の工場が沿岸地帯一帯に連なっているが、その中でひときわ目立つレンガ造りの建物が見えてくる。それが長崎造船所史料館だ。

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ここでは、長崎造船所の歴史を数々の史料や写真で解説している。この造船所は多くの艦艇を生み出しているし、日本の近代化を示す史料を見ていくことで、現代に連なる工業の歴史を感じることもできる。中でも最もエピックとなっているのが戦艦武蔵であり、専用のコーナーも設置されている。長崎造船所にとっても武蔵は忘れ難い船のようだ。

ただしこの史料館、平日しか空いていないのがネックだ。Webページには見学前に要連絡とあるが、実際のところ個人ならふらっといっても大丈夫だった。

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この史料館の建物は長崎造船所に現存する最も古い建物であるらしい。あの空襲や原爆にも耐えたのだとか。

 

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中に入ると様々な機械類と写真が並んでいる。

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日本で初めての潜水具。日本で初めての工作機械。日本で初めてライセンス生産したタービン等…日本の近代化を示す史料がたくさん展示されている。造船というのは、ただ船を作る技術であるわけではない。船を作るためには鉄鋼を作る必要もあるし、船を動かすためのエンジンも当然必要となってくるわけだ。造船の歴史は、ただ船を作ってるだけでなく、そのコンポーネントの歴史も含まれている。造船そのものが日本の工業化の歴史を示しているといっても過言ではないのかも知れない

 

 

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魚雷も作ってたらしい。

 

長崎造船所は、様々な駆逐艦や軍艦を建造しており、いろんな艦艇の建造中や進水式の写真、記念の葉書等が展示されている。

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当時を偲ばせる貴重な史料であろうか。当時の進水と言えばお祭りのようなものだったのだろうか。

長崎造船所の特筆すべきところは民間の造船所であること。だからか、横須賀や呉の工廠とはちょっと違った雰囲気を感じる。

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そして武蔵のコーナー。

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呉が大和のふるさととして大々的に売り出してるのに対して、長崎はあまり武蔵を売り出しているとは言えない。というか、この施設くらいじゃなかろうか。武蔵を艤装したのは佐世保だったりするので、長崎生まれと押し出すには微妙と思っているのだろうか。それとも長崎は歴史は古いし、観光名所もいっぱいあるから特に武蔵に頼るところはないと思っているのだろうか。

 

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武蔵関係の展示。工作機械や設計図面といったものが残されている。

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軍機もあるよ。沈んだ時のっぽいなぁ…。

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奥には武蔵の模型も飾ってある。

さて…長崎造船所が他の鎮守府跡と大きく違っているところはもうひとつあって。この造船所の歴史は今も続いているということ。

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戦後も様々な護衛艦を建造している。

この造船所は、現在も世界最大級の客船を建造中であるらしい。歴史を乗り越えて今も生き続けているところなのだ。

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ででんと創業者。

 

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外から工場を眺める。奥に見えるのは、明治時代に輸入された150tクレーン。100年以上経過しているがなおも現役とのこと。

この史料館、時間帯的な意味でなかなか行きづらいところではあるものの、艦船に興味があって、機会があるなら行ってみる価値のある場所だと思う。長崎生まれの艦艇に興味のある提督さんには是非訪れてもらいたい。