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ディス魔トピア

Amazonに年何十万も使っている身ではあるが、未だに本屋巡りを怠ることはない。やれ自炊だのやれ電子書籍だの言われている世の中ではあるが、本屋でふと見かけたタイトルや表紙の本を手にとって、それがお気に入りになっていく…そんなことも少なからずある。だから本屋に行くんだろう。

 

さて、今日もそんなお話。川崎駅前のあおい書店で本棚をのんびり観てるとこんな本が平積みにしてあった。 

ディス魔トピア(1) (アクションコミックス(コミックハイ! ))

ディス魔トピア(1) (アクションコミックス(コミックハイ! ))

 

「 うわっ、ペド」

 

それが第一印象だった。こういう体の線を強調するような書き方はエロ漫画によく見られる。でも、一応一般向けのコーナーにある…さて。帯を読むと監視社会だのSNSだの魔女だのそんな単語が羅列されている。何系の話なんだろうか…?

ということで気になって購入してみたのだが、これが困った。端的に言うとロリがおっさん(おねいさんも含まれてるが)を殺しに殺しまくるお話だったのだ。

 

 

ストーリーを端的に言う。謎の伝染病が流行した世界で、非感染者を保護するという名目で作成された特区…壁の中が舞台。少し昔の近未来SFに見られた九龍城的なゴチャゴチャしたスラム街だ。この街では、子供を狩って殺して臓器を売り捌くという商売―通称「人狩り」が行われていた。極めて非人道的だが、壁の中では通用しない。…そんな「人狩り」を専門的に殺す魔女という存在が噂されているところから物語は始まる。

 

 

ぶっちゃけていうと、その「魔女」が少女なわけですが。無邪気に人を殺すS気たっぷりのロリが、とにかくおっさんを殺しに殺しまくります。しかもめっちゃ痛そうに。首を落とす。目を潰す。脳をグリグリする。えぐそうな殺し方ばかりです。でも仕方ないよね。子供を殺しに殺してる連中だもんね。慈悲はない。

 

でも意外とマンガとしてもしっかりしてる気がする。SNSの発展をさせたような善意を前提とした相互監視社会描写や無機質な背景は良い。どうして壁という保護特区が存在するのかという理由なんかまだ明かされてないけど、意外としっかりと考えられてそう。能力者バトルっぽいようでそうでもないあたりバランス感覚もありそう。

あと作者がとことん悪趣味。2巻のオチなんて反吐がでそう。だけど、そんなガチさが逆に心地良いかな。作者の来歴を調べるときららでデビューした人だった。血みどろな本作ときららのイメージとは全く異なるのだが…。ともあれ、まだ明かされていない謎も多く世界設定もつまびらかにされておらず、どんな悪趣味で露悪的な結末があるのか今から楽しみである。

表紙買いだったけど、結構あたりだった…これだから本屋を巡るのはやめられないな。