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8月に観た映画:「ホワイトハウスダウン」

ジョン・ケイルはしがない警備員。ろくな職歴ないわ、娘の発表会をすっぽかすわ、上司の評価は悪いわとさんざんな人生。それでも大統領の護衛官になろうと一念発起し、コネを使って、ホワイトハウスまで面接を受けに行く。…結果は残念。機嫌取りのため一緒に連れてきた娘(娘はホワイトハウスが大好き!)にはそんなことは言えず、失意のまま一緒にホワイトハウス見学ツアーに参加する。

そのとき突然ホワイトハウスをテロリストが襲う!娘と離れ離れになったジョンは娘を探すためにテロリストをぶっ倒しながらホワイトハウスを駆けまわるが…。

 

 

何かと「エンドオブホワイトハウス」と比べられがちな映画だったが、個人的には断然「ホワイトハウスダウン」の方が面白かった。良かった点は3つ。

1.主人公が強すぎない

2.大統領もしっかり頑張る

3.脇キャラもいい味出してる

 

 

1.主人公が強すぎない

主人公のジョンはしがない護衛官で、決して優秀ではない。対する敵は元タスクフォースもいるしかなり練度の高い特殊部隊。当然ちょっと凡庸な主人公は散々苦労する。格闘でも相手のほうがちょいと有利なくらい強くて。傷も負うし、ボロボロでホワイトハウスを駆けまわる。でもあまり悲壮感はないんだよね。娘に距離を置かれながらも、娘のために頑張ってる不器用な男なのだもの。応援するしか無い。

 

2.大統領もしっかり頑張る

「エンドオブホワイトハウス」との大きな違いはここだと思う。「エンドオブ〜」は基本的にずっと捕まってばっかだったからね。本作では大統領もテロリストの立ち回りでしっかり活躍する。平和主義者なのにロケットランチャー撃ったりするよ!

本作の大統領ジェームズ・ソイヤーは理想に燃える男。平和のために中東から米軍を撤退させ、兵器産業と対立することも厭わない。でも、他の作品でよく見られる大統領像に比べて、少しコミカルなキャラクターなのが特徴。凡庸な護衛官ジョンと軽口を叩きあったり、スニーカーに愛着を持ってたり。ところどころ荒事に慣れてなくておどおどしているところがかわいい。でも、たとえ子供を人質に取られたとしても許容できないことは許容しないという堅さもあって、面白いキャラクターだった。

 

3.脇キャラもいい味出している

本作は脇役の活躍も面白かった。ラスボスと主人公とそれ以外雑魚、みたいになりがちなアクション映画において、割と色んなキャラクターをそれぞれの立場で動かしていて。

まず、特に印象に残ったのは、実質影の主人公と言ってもいいくらい活躍するジョンの娘エミリー。この子は、YoutubeFacebookを使いこなし、blogは古いと言い放つ今時のお子様(11歳設定!)。お子様なのに政治に関心があって、ホワイトハウスや大統領が大好き。でもどうしてそうなったのかが結構重い理由で。意志も強いし、物事をしっかり理解できる聡い良い子なんだ。

ホワイトハウス見学ツアーのガイド(名前あるの?)もいい。ただのホワイトハウスマニアでテロリストに対して「ホワイトハウスは歴史的に価値があるから暴れないで」と注意しちゃうくらい。でも、だからこそホワイトハウスをなんとも思っていないテロリスト相手に、ここぞというところで活躍してくれてスカっとさせてくれた。

 

 

全体的に「エンドオブホワイトハウス」との比較になっちゃったけど、上記3点は、「エンドオブ」では個人的に感じられなかった部分で。「エンドオブホワイトハウス」は主人公が強すぎるのよね。それはそれで爽快感につながると思うのだけれど、おれは、たくさんの人が自分なりにがんばっているところを見るのが好きだから、「ホワイトハウスダウン」のが良かったかな。

 

 

それにしてもこの映画エメリッヒ監督作品なんだね。「インディペンデンス・デイ」「デイ・アフター・トゥモロー」くらいしか知らなかったけれど、こういう小さい作品もできたんだな、と。個人的に地球規模での大騒動!みたいな作品ばかり作ってる人かと勝手に思ってた。

また、この映画のパンフレットは一見の価値あり。銃器解説に「ホワイトハウスに侵入した系映画一覧」(エンドオブホワイトハウスも載ってる!)、さらに「壊し屋エメリッヒ 破壊の全歴史」みたいな阿呆な記事まで、まるで木曜洋画劇場みたいなノリで書かれていて笑える。

 

いや面白い映画でした。