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7月に見た映画1:アレ勃ちぬ…じゃなくて「劇場版 銀魂完結編」

劇場版銀魂の感想

劇場版銀魂完結編観てきた。「今の映画ひどかったね」という感想しか思い浮かばなかった。

いや、諸兄もご存知のとおり、TVアニメ銀魂にとって、「ひどい」というのは最大限の賛辞である。ひどかった。実にひどかった。一例を挙げる。

・冒頭のただの一発ネタかと思ったら、最後までひっぱられた。

・冒頭のただの一発ネタかと思ったら、重要な伏線だった。

・というか、ネタかと思ったら本当は伏線であること多すぎ。

・やっぱりメガネかよ!

 

下ネタとパロディを下地とし、キャラクター同士の掛け合い、適度の人情とシリアス、絶妙なタイミングで挟まれる脱力ギャグ、超カッコイイ殺陣、そしてひどいオチ。劇場版銀魂完結編には、TVアニメ銀魂のすべてが詰め込まれていたといっても過言じゃない。

なるほど、原作者空知英秋自らネームを切ったというのもよくわかる。そういえば、銀魂のひどい(=面白い)話はたいてい原作でもある話だった。こんな原作アニメにできねえだろ!→できらぁ!の応酬、チキンレースという名の切磋琢磨によって生み出された作品の最後にふさわしい劇場アニメだった。

 

各キャラクターの成長した姿もよい。未来の世界でも相変わらずノリがいい連中だが、IFの世界ではあるものの、その過程にあった各キャラクターの絶望を思うと本当はすごく重い話だ。

 

そうお話は、こんなギャグ・お祭り作品なのに、意外なことに、よく練られていると思う。マンガ原作が継続しながらも、TVアニメとしては完結させる…それを違和感なく実現するにはこれしかないと言えるかもしれない。

TVアニメ銀魂という世界線はここで完結した。でもどこかの世界線では、まだよろず屋の3人は、かぶき町の連中は、あいかわらず馬鹿やっている。そう思わせてくれる、そんなエンディングだった。

 

銀魂は本当良い作品だった。多少波はあったが、7年の間…ほんとうに楽しませてもらった。スタッフ、キャストの皆様、お疲れさまでした。

 

 

 

 

 

TVアニメ銀魂との出会い

TVアニメ銀魂と出会ったのは今を遡ること7年。2006年10月だった。

アニメとしての銀魂は2006年4月に放映が開始された。当初は月曜夜19時から放送と優遇されていたものの、何らかの事情により半年後、木曜18時台に放映枠が移動した。(後にゴールデンから左遷された番組と自虐することになる)。おれがこのアニメを見だしたのは、この18時台に移動したタイミングからである。今思えば、このタイミングは割と奇跡だった。

 

この年、2006年4月の木曜18時は、あの「ゼーガペイン」が放送されていた。今でも語られることの多いSFロボットアニメであり、おれも毎週欠かさず観ていた。「ゼーガペイン」が最終回を迎え、その余韻も冷めないまま、なんとなく次の週もテレビをつけた。そして銀魂が始まった。

 

銀魂が枠を移動した直後に放送した話が、あの「鍋回」と呼ばれる傑作回だった。ギャグ、パロディ、キャラクター同士の掛け合い…TVアニメ銀魂の魅力というべき魅力がふんだんに盛り込まれていた。これで一発でハマった。次の週も見てみよう、と。

 

銀魂は枠を移動したことで、持ち前のブラックなネタをますます発揮しだした。18時台にはそぐわないような強烈なシモネタ、放送版が完全版と呼ばれるほどのひどいパロディ等々、様々な伝説を残しながらも人気を博していき、ついに7年も経ってしまった。7年もアニメが継続したのは、関連商品もよく売れていて、とにかく人気があったからなのだろうな。人気があれば続く、単純な理屈だ。

ギャグアニメもパロディアニメも多々あるけれど、ここまでスタッフの悪ノリがいい方向に出るアニメってのはなかなか見当たらない。本当稀有な、バランス感覚のあるアニメだったな。