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4月に読んだマンガ1:ろんぐらいだぁす! 1巻

2013年は自転車が来る。

 

…と、最近強く思っている。つい最近スポーツ的な意味での自転車を始めたんですという、にわかにありがちな自意識の高さではあるんだけどさ、それでも今年は弱虫ペダルもアニメになるというし、自転車がオタ的な意味で流行るんじゃねーかなーとか思ったりしてる。この思いは、この前、ふと立ち寄った秋葉原はCOMIC ZINで「ろんぐらいだぁす!」なる本がプッシュされていたのを観て、より強くなった。

 

 

 

ロングライド…それは自転車に乗って50kmとか100kmとか200kmとかひたすら走るという行為だ。何が楽しいのか。諸説あるだろうが、おれは普段自分が行かないような行けないようなところに自分の力だけで行けるというところが面白いと思う。電車でも1~2時間の距離でも自分の力だけで走ると軽く半日は費やす。だけど、かわりにスタートからゴールまでの世界を自分のものにできる。密室でなく、空気と直に触れあって、世界は書き割りじゃなく、どこまでもリアルに続いているんだという実感を得られる。

とにかく遠くに行くのは楽しいなぁってことで、それを漫画に落とし込んだのが「ろんぐらいだぁす!」なのだ。と思う。

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さて、本作の話。本作は一応世間的な流行に乗っているのか、女の子だらけのゆるふわ日常系(自転車分多め)である。でも年齢設定はちょっと高めで、ヒロインの倉田亜美は18歳の大学生である。そんなヒロインがある日突然、ショップの自転車にひとめぼれして、かわいらしい折りたたみ自転車を購入。せっかく買ったからと、親友の葵とサイクリングにでかけることから物語は始める。

 

最近自転車を始めたばかりのおれにとって、このヒロインの一挙手一投足にうなずいてしまう。「あんまり運動とか得意じゃないけど、自転車ならできそうだなー。今の自分と変われるんじゃないかなー」みたいなあやふやな期待を抱いてしまうところとか、ものすごく親近感を覚える。そうそう、こんな動機だよねって。

 

そんなヒロインの初の本格サイクリング体験として、三浦半島輪行してサイクリングする話がある。(サイクリング歴通算2回目からえらい本格的だな…と思ったりはしたのだが) これは神奈川県の浦賀から江ノ島まで半島をぐるりとまわる約55kmの道のりである。玄人な人にとっては朝飯前な距離だろうけど、おれのような初心者からするとこの距離はすごく長く感じる。

本作は、ロングライドは楽しい、ということを伝えたいがために描かれており、初心者が入りやすい視点からロングライドを描いている、と思う。「50kmとか長!」とか「坂超つらい!」とか「ケツいてえ!」という、ちょっと自転車で遠くに行ったことのある人なら、あるあると頷けるポイントをきちんと入れている。どうすればそんなつらさに対応できるかというちょっとハウツーも入ってるのもいいね。

それでいて、つらさと引き替えに得られるロングライドの醍醐味である「すげーいい景色を見ながら走る」とか、「現地でうまい飯を食う」とか、そういう魅力的なところも押さえているのがよい。「うん、ロングライド楽しそうだよね」、って気にさせてくれる。

 

そんな感じでロングライドの楽しさを味わえる本作、2巻以降はどんな話になるんだろうか。間話のカットで木崎湖をロードバイクでサイクリングしているイラストがあったので、そんな展開もあるのだろうか。うん、楽しみだ。

 

 

 

ろんぐらいだぁす! (1) (REXコミックス)

ろんぐらいだぁす! (1) (REXコミックス)