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GJ部すぺしゃるなCDがスペシャルすぎた

ダメダカラネ- 

 

 

 

GJ部は日テレ的にも実験コンテンツであると言われる。そのひとつの証拠がBDの売り方だ。通常アニメのBDというのはとにかく高価に設定されており、2話収録で8000円を超えることすらある。しかし、GJ部は定価6,090円と安価に設定されている。しかも1巻につき3話収録だ。1クールでこの収録話数・値段は珍しい。でも特典が省かれているということもなく、普通にブックレットにボックスに、ドラマCDまで付いてくる。すっかり慣れてしまったが、現代のアニメのBD・DVDというものはやはり高すぎる。北米版で買ったほうが送料込みでも圧倒的に安いと言うのはどこか歪んでいる。

…GJ部はそんな風潮を少しずつでも変えていこうという試みなのかも知れない。新しい売り方の提案なのかもしれない。そういえば昔アニメのNANAのDVDを1巻だけ1000円以下で売ってたような気がするな。そういえばあれも日テレだったか。

 

 

まぁ、そんなことはどうでもいい。GJ部BD特典のすぺしゃるなCDが実にすぺしゃる仕様だったのに驚いてね。もちろんただのドラマCDなのだが、実に巧みに、GJ部らしさがにじみでていて。おれはこのドラマCDを一人称CDと勝手に名付けることにした。理由は後述する。

 

 

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まずは下の動画を見て欲しい。

 ヘッドホンをつけて目をつぶって聞くことを推奨する。…どうだろうか。なにか見えてきただろうか。この自分に対して語りかけてくる感が抜群だ。微妙な間が電話ごし…という感じが出ていて、良い。

恵ちゃんの中の人は宮本 侑芽という人で、芸歴はあるみたいだけど、まだまだ声優としては新人さんらしい。けっして声優として上手いとも思わない…が、語尾全部に小さい「ぁ」とか「ぃ」とかついてそうな、舌っ足らず感は素晴らしいと思う。たぶんこんな声出せるのは今だけじゃないだろうか。もっと上手くなると、こんなふうにならないと思う。これぞ今だからこそ味わえるプレミア感というやつだよ。

 

 

なるほど、(いとう)は、ひどいコンセプトを立ち上げたものだ。確かにあの語りかけを聞けば、人に見せられない顔になるかも知れない。

だが、このドラマCDが本当に巧妙なのは、語りの中に、一度も「キョロ」という名称がでてこないことなんだ。「あいつ」とか「あの人」とか、うまくぼかされているんだ。明らかにキョロと一緒であるというシチュエーションにも関わらずだ。

これがすごく、うまい。つまり、固有名詞が出てこないことで、ドラマCDの聴取者=キョロの図式が成り立つのだ。成り立ってしまうのだ。おれはぶちょーと電車に乗っていて、そこで繰り広げられるダイアログなのだ、とかね。

キャラクターに語りかけられることで、まるで作品世界に入ったように感じられる。これがおれが一人称CDと呼んだ理由だ。

 

 

 

ハルヒを観て「こんな部活入ってみたいー」とか宣ってるのはドコモアニメストアのCMだが、GJ部はドラマCDによって「こんな部活入ってみたい」を実現してしまったようだ。さて、2巻が楽しみである。

 

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