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今期アニメ感想3:D.C.III

サクラハッピーイノベーション(あいさつ)

 

こんばんは。ろくな更新のない日記だけど、D.C.IIIは、今期で最も観るべきアニメの一つだとどうしても伝えておきたくてね。

ダ・カーポという名前を聞いたとき何を思い浮かべるだろうか。エロゲだろうか。アニメだろうか。あの桜を吐き続けるキモウトだろうか、一話でゴールしたのが負けフラグだった小恋さんだろうか…ともかく、10年間途切れることなく続く桜の伝説を覚えているものは幸いだろう。

ゲーム界でもそれなりに、アニメでも何だかんだで無駄にシリーズが長い分、記憶に残っているこのシリーズだが、現在全国U局で絶賛放映中のD.C.IIIは過去のD.C.アニメとはひと味違った面を見せている。

それは一見非常にクラシカルなエロゲ原作アニメでありながら、中学生に人気の出そうなくらい直球エロアニメであるというところだ。おっぱいが揺れる。風呂シーンが湯気薄めに流れる。シャワーシーン。着替える。のぞく。そんなちょいエロな展開が延々と続く。これが、実に新しい。

 

…いやそれはおかしくないか。そもそもエロゲとはエロい要素を盛り込んだゲームではないか。だというのに、それをアニメにした作品がエロくて新しいとはどういうことか。…考えてもみよう。エロゲ原作アニメがエロかった試しなど数えるほどしかないじゃないか。

2000年代の前半、よくわからんがエロゲがひたすらテレビアニメになっていた時代があった。エロゲ自体に勢いがあったってのもあるだろうけど、知名度が低めな作品でさえアニメになっていたように思う。低予算でB級・C級のスタジオが作り出す作品は、微妙な作画と超展開で原作の持ち味と視聴者の心を完全に破壊するアニメばかりだった。

 

そんな状態のエロゲ原作アニメにエロなど期待できるものか。次回予告で次が水着回と知ると、「ああ、中だるみか…ひどいんだろうな」と思ったものだ。あと、たぶん葉鍵的な風潮の名残だと思うんだけど、過剰なお色気は忌み嫌われるというか、シリアスなストーリーこそが作品の持ち味であるとされていたのか、エロゲのエロゲたる部分を強調した作品は少なかったように思う。…D.C.もそんな作品の一つだったな。

 

 

翻って現代。エロゲ原作アニメはここまで進化した。その中の極北のひとつであるアニメD.C.IIIの素晴らしさを第8話の水着回を例に挙げて語ろう。D.C.IIIが水着回で盛り込んだものは以下だ。

・水着がポロリ

・ビーチバレー

・ウォータースライダーで密着

・サンオイル塗り

・水着コンテスト

・やっぱりポロリ

全くもってお約束と呼べるべきものばかりだ。だが、一番すごいのはそもそも季節は冬なのに水着回だということ。単に水着回のノルマを達成するためだけに初音島に温水プール場を作ってしまったのだ…なぜ室内でオイル?なんて思ってはいけない。逆算からシナリオを作るとはこういうことなのだ。恐れ入る。

 

 

このアニメはだいたいこんなテンションである。なんかエロいシチュエーションが思いついたからそれから逆算してシナリオ思いついた!ついでにキャラクターの紹介もする!…みたいな展開が1話からずっと続いている。主軸となる話を進める気はさらさらないようだ。

 

こんなにクラシカルでお約束ばかりでエロ展開、こんなエロゲ原作アニメってあっただろうか。普通はもうちょっとストーリーを語ろうとする。エロいばかりじゃなく萌えるシチュエーションを考えたりする。そんなもの等一切なく、ただキャラクターがおっぱいを揺らすだけの展開に清々しささえ覚える。

視聴している間中脳細胞が溶けていきそうなぬるさ、視聴後におっぱい以外の何も残らないようなスナック感。エロゲ原作アニメにシリアスなストーリーなんていらなかった。桜を吐く必要も主人公が紙である必要もなかった。これが現代のエロゲ原作アニメなのだ。ぼくたちのすきなエロゲ原作アニメなんてものを心に持っている人は、全員観るべきアニメだと思うのだ。

 

 

 

 

…え、D.C.IIIってエロゲじゃないの?

 

 

 

 

 

 

演出もちょっと特徴的。このアニメでは、「おっぱいがしゃべる」という表現が多用されている。シュールだろう?

要は俯瞰図→しゃべっているキャラクターの一部分の拡大→俯瞰図という…ほら、よくあるアレだ、なんかまどかとか化物語っぽいアレが使われているんだ。なんていう名前の技法なんだろうな。

ともかく、この演出でやたらと性的部位のみを拡大して映している。おかげでただ会話しているだけなのにおっぱいが揺れたり、髪が揺れたりと画面から目を離せなくなるような妙な緊張感を生むことに成功している。

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本作の監督兼シリーズ構成の石倉賢一という方は、近作ではシャフト系の演出をやっていたみたいだから、その流れなのかな、みたいな。