ツインテールの吸血鬼はお好きですか

Do you like a twintail vampire ?

一線だって越えたいの

さやか☆マギカ第8話目。この奇妙な魔法少女談も佳境を迎えたわけで。


振り返って思うのは、マミさんの存在の異常さだわな。いくらか物騒だったとは言え、あの人だけはいわゆる魔法少女モノの範疇にいたんだよね。変身シーンがあったろ?必殺技があったろ?ちゃんと人を助ける心もあった。他の3人には無いものを持っていた。
もちろんマミさんだって、孤独で辛くて泣きたい気持ちを抑えながら戦ってたのは3話で吐露されてるように明らかなんだが、簡単に潰れてしまったさやかや諦めてしまったほむらとは違っていたのはなぜなのか。

それはたぶん自分の為の願いだったからなんだろうなー。あそこで死にたくなかった。生きていたかった。だからどんなに辛かろうが、生きるために戦えたわけで。その中には見捨ててしまった(願いの中に含められなかった)家族への贖罪もあったのかもしれないけど。

人間って他人のために生きるって結構難しいのよな。誰かのために生きてこのときが全てでいいでしょう?なんて割り切れる人間はそういないんだろうな。きっとさやかも、彼を治すのでなく、彼を直した自分を好きなって欲しいという自分のための願いなら、きっとこうはならなかったんだろうが。
結局本当の願いが叶えられなかったから、それを打ち払うために「人を助ける」なんて路線を撃ち出してみたものの、結局本心ではなくて、ああこんな世界なんて救う価値ねえなぁ、と。

展開自体はあちらこちらで予想されていた通りなんだけれど、丁寧だなぁと。奇抜な演出やら考察を誘うようなビジュアルでごまかされてるけど、たぶんこの作品はシンプルなお題目で出来てるっぽいな。

「友だちになりたいんだ」だけを追求した魔法少女なのはに対して、こっちは…なんだろうな「他人のためってどういうこと?」とでも言うべきか。