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クリーニング屋の話

 近所にはクリーニング屋が2件ある。片方は安さを売りにしている店、もう片方は懇切丁寧なサービスと技を売りにしている店だ。

 最近「品質」ってのをよく考えるんだが、この2店を比べるとその答えがでてきそうだなぁと思った。


 前者の安い店…A店としておこうか…A店は、シャツ一着100円を切る料金を提示。納期は土曜日→日曜日午後が可能。1週間後の土曜日に指定すれば10円安くなったり、土曜日午前までに出せばさらに安くなるといったとにかく値段で押している店だ。
 その代わりA店はドライクリーニングしかしてくれないし、袋もくれない。そもそも袋に入れてくれさえしない。
 クリーニング以外の余計なサービスはほとんど無いのがA店だ。

 後者の丁寧なサービスを売りにしている店、B店は値段だけ言えばA店の倍くらいする。その代わりクリーニングの方式が豊富で、オプションがかなり細かく指定できる。
 A店が「近所の主婦のパート」なエプロン姿の店員しかいないのに対して、B店はきちんと制服を来た店員(パートかもしれないけど)が対応してくれ、受け答えも訓練されてる感じ。
 衣服を店に持ってくるときの袋を預かってくれて、取りに来るときにそれに入れてくれる。言えばナイロンの袋を貸してくれる。
 もちろん仕上がりもいい。スラックスだとA店よりもきちんと「洗えてる」感じがする。


 結局おれは値段重視だから、A店の方を贔屓してるんだが、時たまB店を利用するとその質の差に驚く。その値段差にはきちんと意味があるもんだ、と。

 水は低い方に流れる時代、B店がいつまで残れるかわかったもんじゃないが…。でもきちんとしたクリーニングや、丁寧な応対も価値のひとつであって、そこに価値を見出してあげるのも大事なのかなぁと思う。