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御輿を担ぎにいってきた

一番くじなのは」に関する狂想曲を昨晩あたりから耳にしている。
正直なところこの手の「くじ」にはあまり興味ない人間だ。俺はくじ運がよくないし、「はずれ」を見るたびにせっかくの期待を裏切られた気がしてぐんにょりするから。

でも、俺はどうやら御輿を担ぎたいタイプの人間でもあるらしい。
「あるコンビニでは入荷前に完売した」だとか「秋葉原には徹夜組がいる」だとか、そんな阿呆らしい話を聞くたびに、しだいにワクワクがとまらなくなって。気が付けば秋葉原にでかけていた。

ゲーマーズ秋葉原本店の一番くじ購入列は戦場だった。4列にわたる列を店員の指示にしたがって、集団で動いていく様はまるでコミケのようだった。向かいのコトブキヤも似たような状態。
一番くじに並ぶ客たちと彼らを好奇の目で見つめるオタども。今日は毎日が非日常な秋葉原でもわりと非日常な方の日だったろうか。
観光に来た外人さんは、いったい何が起こっているのか理解できただろうか。

並びながら思った。俺は本当はくじの景品が欲しいのでなくて、こうやって「くじを買う」という行為に金を払いに来たんだろう。
御輿を担ぐ。祭りに参加する。この今しか味わえない時間を楽しみにきたんだと。
だからくじを引くまでにはなるべく苦難があった方がいい。一時間並んでみたりするのも、あとから思い返して「バカだなぁ」と笑っちゃうような思い出作りのひとつなんだ。



15時頃に秋葉原に入ったはずだが、購入の順番が回ってきた頃は17時前だった。店頭には相変わらずの人だかり。

20回限定という購入列。1回800円のくじに16000円を投じる人間が少なくない中、俺は多少控えめに7回引いてみた。

結果はこんな感じ。
A×1
C×1
F×3
G×2

店員の「おめでとうございます」が心地良く響いた。
普段のくじ運の悪さから考えれば、これは驚くほどよい成績だ。全部Gでもネタにはなったと思ったのだが。


A賞はなのはさんだった。でも俺はフェイトさん派で。だからB賞がどっちかというと欲しかった。

だからわりといい成績に対しても、どうもしこりに残ってしまった。結局秋葉原を去ることも出来ず、気が付けばまた一番くじ購入列に並んでしまっていた。
今度は1回、たった1回だけ引いてみようと。そうしたらB賞が当たるかもしれないと。
今思えば泥沼にハマる直前だったわけだが。


ここで奇跡が起こる。その1回、たった1回でB賞が当たってしまったのだ。
「B賞フェイトのフィギュアです」って店員が言ったのを聞いたときは耳を疑ったね。
まるで妄想していた未来がそのまま実現したようで。
こんなに自分の都合のいい事が都合のいいように展開したのは久しくなくて、まったくもって、最高にいい気分だった。

いつか、なのはやオタク的行為に興味無くなってしまっても、こうやっていい気持ちだったことだけ覚えているならば、今日の価値はあったんじゃないかなと思う。