ツインテールの吸血鬼はお好きですか

Do you like a twintail vampire ?

この素晴らしい自己肯定の物語〜四畳半神話大系〜

 面白かった。この春の作品で最も独特で演出がキレていて、それでいて最も心を抉ってきた作品だった。

 これが理解できない人はかなり人生が充実している人なんじゃなかろうか。そう思うくらい、ちょっと後悔混じりに生きてる凡人にはジャストヒットな作品だった。

 最終回はこれまでの並行世界をすべて統括し、「私」としての結論を導きだす過程が良かった。振りまかれた伏線が回収され、エピローグに向けてのテンションの上げ方が本当に良かった。

 そう、この主人公は決して不毛な人生を送ってたんじゃなかったんだ。テレビの前で「意外と楽しそうじゃね?」と毎週思っていて、どうして「私」はそこまで自らの人生を「不毛」と呼んでいたのかが気に掛かっていた。


 結局それは見方の問題だったんだ。私の心がねじまがっていたせいでもある。小津が悪魔に見えたのもそうだ。

 小津を「親友」と呼んだ瞬間には泣きそうになった。そうだ、不毛なキャンパスライフは充実したキャンパスライフだったんだ。


 誰だって、そりゃ人生に後悔の一つや二つはあるさ。学生時代もっとおもしろおかしく生きれたんじゃないかって思うことはあるさ。けれど、見方を変えれば、そんな生活も楽しかったんじゃないかって。
 この作品は、それを強く肯定してくれた。
 見たものに清々しさを。我が人生はつまらないものなんかじゃあなかった。本当に良いアニメだった。