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劇場版銀魂 新訳紅桜篇

 劇場版銀魂を観に行くのはどういう層なんだろうか。俺はずっと考えていた。少年ジャンプ連載なんだから、メインの読者は少年たちだ。だから小学生や中学生であふれかえっているに違いない。単純に考えるとそうだ。
 ちょっとオタ的な視点で見れば、きっと腐な方々が大勢いらっしゃるにちがいない、という考えもできる。銀魂の同人誌作りに絶望先生を資料にするような方々だ。

 今日行ってきて、実地で検証してきた結果、両方ともいたことがわかった。「桂さんかっこいいよね」とのたまう女性もいたし、中学生男子のグループもいた。まぁ、そりゃそうだわな。



 劇場版銀魂はなかなか満足できるものだった。つっても、「紅桜篇」そのものに満足したわけじゃない。はっきり言って、テレビシリーズの焼き直しだったからだ。
 新作カットが多少入ってたり、動きが良くなったりしてたような気もしたが、基本的にはテレビで放映したまんまの紅桜篇だった。特に新しいエピソードが加わってるわけでもなかったしな。

 「紅桜篇」で良かったのは、終盤の殺陣シーン。銀さんとヅラが共闘するシーンだ。ここはものすっごくカッコイイシーンで、テレビシリーズでも何度か見返した覚えがある。
 確か当時の主題歌は曇天だったっけ?劇場版では主題歌「バクチ・ダンサー」に乗せて戦闘が繰り広げられていた。戦闘もテレビシリーズより長くなっていて、多種多様なアマント混合軍をあの手この手で切り払うシーンが良かった。
 宿敵との戦いよりも雑魚との無双シーンが印象に残るってのもどうかとは思うけれどね。でもかっこよかった。


 「紅桜篇」の感想はそんなもんだ。基本的にテレビシリーズそのままなんだから、新鮮みも何もなかった。本当に「紅桜篇」だけだったら、俺は全然満足しなかったろう。
 なら、なぜ俺は劇場版銀魂に満足したのか。


 …それは、銀魂をよく知ってる連中ならわかることだろう?番組改編期の銀魂が一体どんな話を放送したか、それを思い返せば容易に想像できるはずだ。
そう、やっちゃったんだよ、劇場版でな、"あのカット"を。

 期待通りだった。世の中を斜に見てるのがたまらない。
 劇場版という大舞台でさえ危険な賭けに走る銀魂スタッフには脱帽せざるを得ない。そう、バクチ・ダンサーってのは彼らのことなんだよな。