うまかっちゃん、とか
この一年間西や東にあれこれ飛ばされて、しみじみ思ったことがある。日本はフラットになったように見えるけど、結構地方の色ってのは残ってるんだなぁ、と。
最近読んだムックで、餃子の王将の仙台店の話が出てきた。意外なことに餃子の王将が東北地方に出店したのは去年が初めてらしい。大阪には見飽きるほどあったので、とても意外に感じた。
なぜ、人は「餃子の王将」の行列に並ぶのか? (プレジデントムック)
- 作者: 野地秩嘉
- 出版社/メーカー: プレジデント社
- 発売日: 2010/02/12
- メディア: 大型本
- クリック: 139回
- この商品を含むブログ (10件) を見る
餃子の王将仙台店では、客から「味が薄い」とよくクレームが出ているそうだ。王将は関西発祥のチェーンであるため、関西風の味付け(=薄味)となっている。これが東北の人にとっては違和感になるんだとか。
東西の味覚に差があるってのは有名だけど、こんな風に顕在化するものとは思わなかった。(それも餃子みたいな味の濃いもので!)日本の広さをあらためて実感した。
インスタントラーメンやカップ焼きそばも地方色が強いものの一つだろうか。
関東で広く売られているカップ焼きそば「ペヤング」は関西ではほとんど知名度がない。コンビニにもスーパーに置かれていない。関東では一般的な商品だから、西日本に来ると驚くのだそうだ。
逆に西日本で有名で関東ではあまり知られてないものといったら「うまかっちゃん」だろうか。これはもともとは九州地方限定のインスタントラーメンなのだが、今では西日本のスーパーではたいがい置かれている。
こんなチェーン店や大手食品会社の製品にさえ地方の色ってのがあるんだ。他の料理や文化にはもっと大きな差が残っているに違いない。
これは大阪や東京に止まっていては感じられないことだ。俺は西日本の西端出身で、最近は引越の多い生活をしていて、時々そのせわしなさに疲れることもあるけれど、この差を感じられるのは根無し草の特権かなぁと思ったりもする。
今日、うちにストックのあった最後の「うまかっちゃん」を消費した。これで、西を思い出させるものがまたひとつ無くなってしまった。