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サラリーマンならスジを通せ。スジ屋

 昨日のNHKの番組。鉄道のダイヤを決めるスジ屋なる人に密着取材をしていた。


 俺は鉄道に詳しい人間でないので、平均的なダイヤの決め方がどんなものか知らないが、少なくとも東京メトロのダイヤは人間が決めているようだ。ダイヤというのは何時何分何秒にA駅のn番ホームに電車が来て、何分何秒停車し、それから発車するという一連の運行情報をまとめたものである。それを人間が紙とペンと算盤を使って決めている。なんとアナクロだろうか。


 素人考えではダイヤなんてコンピュータで機械的に決めてしまえるのでは、と思ってしまう。しかし、列車の速度や混雑度はある程度定義できても、やはりコンピュータじゃ解決できないアナログな部分が存在するらしい。そんな部分を察知し、ダイヤに落とし込むのがスジ屋の仕事だということだ。


 日本の鉄道のダイヤの精確さは世界でもぬきんでているという。世界の鉄道を使ったことない俺でも1分の遅れどころか、15秒の遅れに着目しているスジ屋を見ると、どうやら先の事実は真実らしいと思わざるをえない。「本来変える必要はないのだけれど」と言いながら改善を提案する姿には舌を巻く。


 そうは思うのだが、それは必要なのだろうか、とも考えてしまう。日本はすっかり技術立国と言えなくなってしまったと叫ばれてるが、部分部分では世界最高レベルの品質・精度があるという。けれど、その品質・精度はもはや世界に必要とされていない品質・精度なのかもしれない、と。PCなんて、割合適当でも動いてしまえるのだ。


 スジ屋も、日本の鉄道の精確さも、実はそのような既に求められていない品質なのかもしれない。番組を見てそういう風にも思った。
 1分の修正で混雑度を減らそうとする努力は、2を1にする作業ではなく、0.1を0.09にするようにも見えた。
 混雑度が減ったとい言っても、田舎から来た人間にとっては結局混んでいるようにしか見えない。混雑の原因はダイヤの遅延ではなく、そもそも人口が過密すぎることではないだろうか、と。

 大きなバックグラウンドの不具合を、現場の対応でなんとかしようとするのは日本人らしい気もするのだけれど。