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ペルソナ3ポータブル 女主人公編 クリア

 11/1の発売日からえんえんプレイし続けてようやくクリア。118時間かかっていた。多少寝オチも含むとしても、単一のゲームで100時間超えしたのは久々かも。
 正直終盤はかなりダレてきたのだが、それでもかなり面白かった。魅力的なキャラクターと弱点をつつきあう戦闘。RPGらしくないのにしっかりRPG。3年前にスマッシュヒットしたのもわかる気がする。ノーマルは相当ヌルかったのでハードぐらいでやるとヒリヒリした感じで楽しめたかもしれないなぁと今更のように思った。

 俺はペルソナシリーズは4から入ったものだから、P3Pの感想をP4と比較しながら語りたい。P3とP4、このふたつはまるで双子のようによく似たゲームに見える。けれど、終着点はかなり違うんだなぁ。


 まずストーリーの毛色が違う。P3は世界を救う話。P4は町を救う話(世界もついでに救ってる感じだけれど)。
 P3のキャラクターは誰もかれも辛い過去があり、因縁がある。それがストーリーを進めるうちにそれらが解決していく感じだ。対してP4のキャラクターたちは問題やコンプレックスが最初に提示され、それが解決したところからストーリーが始まる。
 主人公も違う。P3主人公は過去に両親を失い、さらに自身にデスを封印されるという過酷な運命を背負っているが、P4の主人公は両親は健在だし何かを背負っているわけでもない。

 同じシステムを採用して、同じような展開なのに、キャラクター差し替えただけ、に止まらない、ストーリーの思想からして全く違う感じだ。


 俺はP4という作品は実に現代的だと思う。P3に触れてから一層そう思った。P3って、正しく少年たちが世界を救う話なんだよな。世界を滅ぼすやつがいる。だからぶっ飛ばす。古典的だ。それぞれが因縁を抱えてるのもそうだ。
 対してP4にとっての世界ってのは自分たちの住んでいる町なんだよな。「敵」だって別に世界を滅ぼそうと思ってるわけじゃない。

 ジョジョの第三部と第四部に例えると近いかもしれない。倒すべき巨悪なんてのは現代にはもはやいない。あるのはゲリラ的な小競り合い。そしてラスボス自身も穏やかな生活を望んでいたりする。


 ストーリーやキャラクターについて思ったのはそんな感じ。P4はスケールダウンしているように思えるけれど、全世界なんてとても想像できない広さじゃなくて、世界を町に縮めることで、逆に世界のすべてを感じられるようになってんじゃないかなぁ、とか。


 ラストバトルの演出もよく似てる。絆の力で勝つってのは一緒なのだけれど。仲間たちの絆の力が「回復」や「無効」で示されるP3の方がRPGっぽくて良い感じ。Burn My Dread -Last Battle-が非常にかっこいい。台詞として表示されないけれど荒垣先輩の声が聞こえるのは神がかってると思う。
 けれどペルソナの真の力解放演出自体はP4の方が良かったかなぁ。眼鏡を捨てるってのは、P4のテーマそのものの総括となっているものね。あれもまたたいへんカッコいい。

 EDテーマ「キミの記憶」が非常に良かった。主人公については"儚くたゆたう世界をキミの手で守ったから今はただ翼をたたんでゆっくり眠りなさい永遠の安らぎに包まれて"という歌詞がよくよく表している。確かにこれは物議を醸し出すよねぇ…。すっきりはしないけれど、印象に残る終わり方だと思う。
 P4が120%のハッピーEDで、同じ「別れ」を描いていても、「またね」を示唆していたのと大違いだ。
 EDテーマと合わせると、ぐっとクるのはP3の方かなぁ。どちらも良いんだけれどね。


 不思議だったのは、P3はP4よりも複雑なんだよね。続編になるほど複雑なシステムが増えていくRPG世界にしては珍しく、シンプルな方向に進化している。物理属性がひとつになったのとか典型的だよね。ダンジョン登っても疲労はないし、めいれいさせろ、ができる。難解なシステムよりも遊びやすさ優先。これも現代的なゲームの形だよね。


 まだまだ考察のしがいがあるなぁ。でもペルソナシリーズやメガテンについての知識は無いから、もうちょっと蓄えてまた考えてみたい。