ツインテールの吸血鬼はお好きですか

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川の光

 意外と面白かった!「SAVE THE FUTURE」とかタイトルに付いていたので、てっきり「ミヨリの森」みたいな環境問題アニメなのかと思ったら、普通の動物アニメでびっくり。冒頭のネズミの親子がすみかを追われるきっかけこそ環境問題摘発っぽい雰囲気を醸し出していたものの、その後は特に何事もなく環境開発を止めるでもなく、ひたすら冒険し続けていた。終わりまで特に何の提言も主張も無いので、「一体このアニメは何をしたかったんだろう」と思わなくもなかったけれど、チッチ(CV:金田朋子)が冒険によって成長する話とでも思えばいいのかな。


 環境問題よりも冒険の途中で出逢いの方に重点置かれてた感じ。一行は新しいすみかを探す度の途中で犬、ドブネズミ、猫、スズメに出逢っていく。
 中でも、ドブネズミのグレンが非常に印象的。縄張り意識が強く徒党を組んでよそものを排除するドブネズミ。だのにグレンは一匹で図書館に住み着いている。途方に暮れているクマネズミの親子に「同じネズミじゃあないか」と、声をかけ救う。
 人間たちがなぜ本を読むのか?という問いに対し、グレンは「怖いんじゃないかな」、と答える。彼は深夜、月を見上げて詩を吟じる。「川の光」とな。
 仲間から離れた隠遁生活。語られない過去。その達観とした様子は、彼が多くの修羅場をくぐり抜けてきたことを思い起こさせる。

 そんなグレンを演じているのは大塚明夫。これがものすごくめっさ似合う。激渋い。ただのネズミなのに退役軍人にしか見えない。スネークやらライバックっぽい感じだ。そういえば「人間が来たら何かを被ってじっとしてるんだ」と言う台詞があったが、スネークネタなのかなぁとか。


 そんなわけで1時間と少々、かなり楽しませてもらいました。背景も良かったなー駅前とか。不満があるとすれば各キャラクターそれぞれ、もう少し掘り下げても良かったんじゃないかなぁとか。キャラクターたちとの出逢いの意味も少しおざなりであるとか。ブルー(CV:田中敦子)が子供をもてないわけとか…。スズメの親子は…藤原紀香うまかったね。