ツインテールの吸血鬼はお好きですか

Do you like a twintail vampire ?

蜀ルート完

何この…何。
リトルバスターズでいきなりオーラス行っちゃったような感じというか。これはすべてのルートを終えた上での蛇足として存在するべき真・エンドというやつなのではないかと…。
あまりの超展開っぷりに実況民の俺は叫ばずにいられなかったよ。「艦長、展開についていけません」ってな。


「キーン、キーン、キングゲイナッ」的に横に並んで、卒業式の答辞が始まるわ、ガンバスターで出撃したかのように腕組みするわ、しかもち○こ太守が唐突に仕切るわ、さらに全員普通に従うわで、熱いだの何だのを感じる前に少々引いてしまったわ。
…まあ、悪いモノじゃない。桃香さんの思想的にはこれはアリな終わり方だ。ただ少々唐突すぎただけだ。インディペンデンス・デイ理論がこんなところで見られるとは。


それにしても桃香さん、国の民には優しいけど、異民族には厳しいっすね。あれですか、異教徒は人間じゃない、ってやつですか。桃香さんの中にあるのが変形した中華思想であると確信したとき、俺の中で桃香さん像がちとゆがんだよ。
まあ、キャラ付けとしてはアリだがな。


でも物語はすっごく楽しんだ。キャラクター同士の絡みがすごく楽しい。昨今の創作物は「ストーリーよりもキャラクターが重視される」と揶揄されるし、この作品がその傾向の先端であるってのは疑いもない。でも「だから何?」ってな具合に魅力を発揮しているのが「恋姫」という作品だと思う。
蜀ルートをプレイする限り、「いらない子」ってのはいなかった。これはすごいことだよ。どいつもこいつも魅力的で可愛くて。キャラの数が多いのに破綻して無くて。あのキャラとこのキャラの絡みはこういう風になるのか!という新鮮な驚きが拠点フェイズの度にあったよ。


この「恋姫」には、キャラクターたちが織りなすてんやわんやの騒動をずっと見ていたいなぁと思わせる魅力がある。間違いない。だから同じ世界観もキャラクターも共有した新作「真」なんてものが望まれ、作られたんだろう。よくわかるわ。


これまで俺の中ではBasesonってのはあの「ONE2」のメーカーって「負」のイメージをずっと引きずっていてさ(俺は鍵っ子だったからね)、正直これまで何をやっていたかなんて興味も無かったんだ。
けれど幸運なことに昨年アニメ化された「恋姫」を見て、遅まきながらも「恋姫」という世界に興味を抱いたんだ。そして実際に触れてみて、思い知ったさ。ああ、俺はこんな魅力的な世界に手を出してなかったんだ…とな。俺のアンテナ感度の低さを呪ったよ。

以前からタイトルは知っていたさ。でもただのキワモノだなぁと思っていた。新撰組も戦国武将も、牛若丸も女体化される時代だ、その流れに乗っただけ、と思っていた。三国志に限っても一騎当千なんてのがあったしな。

でも実際に触れてみて、これはキワモノなだけじゃない。しっかり押さえるところを押さえてるんだってことがわかった。だから支持されるし、こうやって続編だって出るんだ。


三国志の翻案ってのは珍しいもんじゃない。千年単位で行われてきて手垢が付きすぎてもうどうしようもないもんだとすら思う。が、まだまだこういう切り口もあるのだと気付かされた、面白いなぁ本当。