Game Union 1
- 出版社/メーカー: 三才ブックス
- 発売日: 2008/07/23
- メディア: 大型本
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こんなん出てたらしい。ので、買ってきた。
洋ゲー専門誌
このGame Unionなる雑誌、なんと「洋ゲー専門誌」を掲げている。確かにここ数年の洋ゲーへの注目度は過去に例を見ないほど大きくなっていると言えるし、このような専門誌が出てくるのも時代の必然かもしれない。もっとも過去に「洋ゲー専門誌」はいくつか存在したらしいがいずれも…まあ、今度は定着するといいですね。
ざっと読んでみたけど、なかなかしっかりした内容だと思う。GTA4を巻頭で大特集。その後に今年後半の目玉タイトルを取り上げている。「LEFT 4 DEAD」、「H.A.W.X.」、「End War」等々。
レビューとして「BULLY」や「BIO SHOCK」等を取り上げたり、GTA4関連としてクライムアクションゲームを紹介したりと「入門、そしてその先」まで見据えた特集はなかなかいいと思った。他にも「トム・クランシーシリーズのすべて」であるとか「Blizzardの歴史」といった特集があって、俺みたいな最近洋ゲーを知ったようなクチには実にためになった。
海外のゲーム周辺事情も紹介されていて、「海外ゲーム雑誌紹介」や「海外から見たファミ通」を述べたコラムは興味深い内容だった。
1300円と少々高い雑誌だが、オールカラーだしコンシューマ・ゲームの紹介が多い（さらにローカライズされてるゲームをよく紹介している）ので、今から洋ゲーについて知りたいなぁ、って人が知識を付けるにはいい雑誌じゃなかろうか。
あと、エーツー日本橋店が広告出したりしてた。まあ、大阪で海外版ソフト買うならあそこくらいしか無いか。
和ゲー・イズ・デッド！
Game Unionにはいくつかコラムが載っていて、だいたいは面白いコラムだったが、中には駄目なコラムもあった。その筆頭が「最近のゲームはつまらない！」コラム。はてな界隈でちょっと前に流行していた議論だし、定期的に盛り上がる話題でもあるので何を今更…と。新雑誌を飾るもんとしてはお粗末だなと思ったよ。
このコラム、自称ヘビーゲーマーがいかに最近の日本のゲームが駄目かをつらつら書いてるんだが、それがテンプレな内容ばかり。あまりにもよくある批判ばかりなので逆に面白かった。
そのヘビーゲーマー曰く、
- 最近の日本のゲームはつまらない
- 最近のゲームはシリーズものばかりで野心的なものがない
- 最近のゲームはぬるくて達成感のあるものが無い
- DSやWiiはゲームじゃない
- RPGにはうんざり（特にFFとかFFとかFFとか）
- 萌えキャラとかマジ死ねよ
「最近のゲームつまんねえ！」って言う人に限って自分の好きなゲームを挙げないものだが、このコラムの著者も全く自分の好きなゲームのタイトルを挙げない。それに和ゲーは駄目と言ってるけど、洋ゲーのどこが革新的かを説明してるわけでもない。
STGが好きだから最近の萌えキャラを前面に押し出したSTGが好かんとか、Wizが好きだから最近の萌えキャラを前面に押し出した3DダンジョンRPGが好かんとか、あるいはOblivionがひとつの世界を完全に再現しようとしているのに日本のRPGの世界観は狭いとか、Halo3の発売後にAC6みたいな糞オンライン・システムを出すなんてバカじゃねえの？とか、そういうこと言うならわかるんだが。
だいたい洋ゲーだってGTA4にHalo3にCoD4みたいなシリーズものが売り上げ上位にあるわけだしさ。和ゲーでも洋ゲーでもシリーズもの偏重は一緒だろう。
そしてこの著者は「隅々まで配慮が行き届き、客寄せの萌えキャラに常に手を引かれ、延々とチープなストーリーを見せられる」ゲーム（いわゆるRPGだな）がお嫌いらしいが、例えばCoD4だって「AIキャラに常に手を引かれ、延々とお仕着せの展開を見せられる」ゲームなわけだよ？そこに和洋の違いがあるのか。萌えキャラがヒゲの親父に変わったから野心的作品とか、そういうわけでもないだろう。
「最近のゲームつまんねえ！」って言う暇あったら、つまんねえ石っころばかりの中で面白いと思った数少ない"玉"を紹介するのがヘビーゲーマーのゲーム愛ってもんだろ。
口は出すが金は出さない。だのに他人の（特にカジュアルゲーマーに対しての）批判はする。それがゲーマーか？
